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シモン・ゴールドベルク関連の出来事
2014年

シモン・ゴールドベルク資料展 初公開

東京藝術大学音楽研究センターにて

シモン・ゴールドベルク資料展

2014年8月28日より9月10日まで、シモン・ゴールドベルクの資料展が東京藝術大学音楽研究センターにて開催された。

2010年11月、シモン・ゴールドベルクの資料、約6,500点――書籍、自筆の書き込みのある楽譜、録音資料、演奏会プログラム、チラシ、新聞・雑誌記事、書簡、写真、勉強室に飾られていた絵画、置物など――が遺族より一括して同センターに寄贈された。
センターでは「シモン・ゴールドベルク文庫」を開設し、それらの資料の整理、研究、データ作成を進め、その研究成果を2011年から3回に亘って『東京藝術大学音楽学部紀要』に発表、さらに、2013年3月には資料目録を完成、出版した。そして2014年8月、東京藝術大学音楽研究センターにて「シモン・ゴールドベルク文庫」初公開となる資料展を開催、一般公開への運びとなった。

本展では、文庫資料の内、整理の済んだ全洋書、楽譜(書き込みのある原資料2点、パネル展示にて3点、写真複製版4点)、プログラム・チラシ5点、写真25点のほか、書簡、新聞記事、愛蔵の20世紀絵画3点、置物、眼鏡や指揮棒などを展示。
音・映像展示のブースでは未公開のものを含む17種類の音源、4つの映像、さらにベルリン・フィルハーモニーのホワイエで2014年2, 3月に開催された写真展の様子が展示された。
また、シモン・ゴールドベルクとリリー・クラウスの手形(原本近衛家所蔵近衛秀麿資料)などが展示された 。

展覧会には、各界から920名を超える来場者があり、もう一度音源を聴きたい、楽譜の書き込みをもう一度見たいなど再訪者も多く見受けられた。展示方法も、在りし日のゴールドベルクを彷彿させる心遣いと工夫が施されており、多面的に演奏家の軌跡を追うことができたと評価が高かった。本展は、第2弾の開催を望む声も多く聞かれた。

なお、2015年3月には資料目録の改訂増補版 およびその英語版が出版され、すべての研究成果が音楽研究センター内「シモン・ゴールドベルク文庫」のホームページにおいて公開されるに至った。楽譜など主要な資料は世界中のどこからでも検索可能となっている。
シモン・ゴールドベルク文庫

資料展の展示資料一覧

※関根和江編纂『シモン・ゴールドベルク資料展』(東京藝大音楽研究センター、平成26年)パンフレットより抜粋、編集。
※文章中、SG=シモン・ゴールドベルク。
※ゴールドベルク山根美代子著『20世紀の巨人 シモン・ゴールドベルク』からの引用については、ページを( )に入れて記す。