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寄贈先

Library of Congress

愛器 グァルネリ・デル・ジェズ:
ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ

Guarneri del Gesù : Goldberg-Baron Vitta
グァルネリ・デル・ジェス:ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ
グァルネリ・デル・ジェス:ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ

美代子は1995年、シモン・ゴールドベルクの没後2年、彼の愛器Guarneri del Gesù “Baron Vitta”を米国ワシントンD.C.のSmithsonian Instituteに預けました。以降2006年5月まで、シモンのグァルネリは、スミソニアン内のガラスのショーケースに収められて公開展示されていました。
しかし、その後スミソニアンの大改装工事に伴う移転をきっかけに、2006年5月、美代子はこのヴァイオリンを米国、ワシントンD.C.の国立議会図書館へ寄贈。そして、“Guarneri del Gesù:Goldberg―Baron Vitta”の名のもとに、美代子の遺志により、若き音楽家たちがこの楽器を弾くことができるよう、議会図書館から順次期限付きで貸与されることになっていると聞いています。

この楽器は、1730年にクレモナの名匠Giuseppe Guarneri (Cremona,Italy, 1698-1744) によって制作されたものです。今回美代子がこの楽器をLibrary of Cngressに寄贈したのがきっかけで、276年ぶりに解明されたことがあります。それは、この楽器が、1952年に同図書館に寄贈された、名ヴァイオリニストFritz Kreisler (1875-1962) のグァルネリと同じ木の部分で、同じ1730年に作られた双子の兄弟ヴァイオリンであったことです。
一人の名匠によって作られた双子の兄弟ヴァイオリンが、それぞれ、二人の名ヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーとシモン・ゴールドベルクの手に渡り、276年の歳月を経て、再び同じ図書館に寄贈され、再会を果たすなど、この世界での一つの歴史を感じさせる発見でありました。
Library of CongressのHP

(大木 裕子)

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