シモン・ゴールドベルクの世界

東京藝術大学音楽総合研究センターにて

※以下『シモン・ゴールドベルクの世界』(東京藝大音楽総合研究センター、2017年)パンフレットより抜粋、編集。

※ゴールドベルク山根美代子著『20世紀の巨人 シモン・ゴールドベルク』(東京:幻戯書房、2009年)からの引用については、ページを( )に入れて記す。

展示ケース

1ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》ソロパート譜

Beethoven, Ludwig van. [Konzert in D Dur für Violine und Orchester, Op. 61]. Berlin: Simrock, [c1905]. 1 part. [SGME1/B415/15]

2バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》自筆譜ファクシミリ3点

Bach, Johann Sebastian. Sonaten und Partiten für Violine allein: Wiedergabe der Handschrift. Facsimile Ausg. [Leipzig, Frankfurt am Main]: Insel-Verlag, 1958, 1962. (Insel-Bücherei, 655) 67, 63, 67 p. [SGMF/B118/5, 5B, 5C]

3パガニーニ《24のカプリス》自筆譜ファクシミリ

Paganini, Niccolo’. 24 capricci, op. 1, per violino: Facsimile dell’autografo. Milano: Ricordi, 1974. 22 leaves, 12 p. [SGMF/P129]

洋書(音楽書)

1『アルベルト・シュヴァイツァーの言葉』(著書『バッハ』からの抜粋)

Schweitzer, Albert. Im Banne der Musik: Worte Albert Schweitzers. Freiburg: Hyperion, [1958?] 155 p. [SGML/S413]

2ル・ブラン『ヴィオラ・ダ・ガンバ擁護』(1740年発刊の歴史的な音楽書。ドイツ語版)

Le Blanc, Hubert. Verteidigung der Viola da Gamba gegen die Angriffe der Violine und die Anmaßung des Violoncells. (Originally published as: Defense de la basse de viole contre les entréprises du violon et les prétentions du violoncel, Amsterdam, 1740) Translated by Dr. Albert Erhard. Kassel: Bärenreiter-Verlag, 1951. 148 p. [SGML/L445]

洋書(文学)

1ホフマン『大みそかの夜の冒険』(作曲家としても知られるホフマンの文学作品)

Hoffmann, E. T. A. Die Abenteuer der Silvesternacht. Leipzig: Insel-Verlag, 1950. (Insel-Bücherei, 276) 53 p. [SGL/H711]

2ヘンダーソン『俳句入門:芭蕉から子規』

Henderson, Harold G. An Introduction to Haiku: An Anthology of Poems and Poets from Bashō to Shiki. Garden City, N.Y.: Doubleday, 1958. (Anchor Books) x, 190 p. [SGL/H496/A]

洋書(美術書)

1ル・コルビュジエ『建築における詩情から』写真、スケッチを含む随筆

Le Corbusier. Le Corbusier: Von der Poesie des Bauens. Zürich: Verlag der Arche, c1957. (Sammlung Horizont) 87 p. [SGFL/L467/2]

2『シャガール』画集

Schmidt, Georg and Marc Chagall. Chagall. Paris: Fernand Hazan, 1953. (Bibliothèque aldine des arts, 24) [18] p., 20 leaves of plates. [SGFL/C433/2]

(その他、絵はがき3点、写真2点が展示されていた。)

音展示

1パラディス《シシリエンヌ》(ドゥシュキン編曲)

paradis

Paradis, Maria Theresia. Sicilienne (arr. Dushkin). S. Goldberg, violin; A. Sándor, piano. SZY-G002 (CD). Recorded circa 1932, Berlin. (Szymon Goldberg, vol. II) [SGCD/2]

メモリアルCD集〈シモン・ゴールドベルクの証言〉第2集に収録。クリストファ・N・野澤氏が所蔵していたSPレコードを野澤氏の自宅装置で再生し、マイクロフォンで収録したもの。

2ベートーヴェン《弦楽三重奏のためのセレナード》

Beethoven, L. van. Serenade for String Trio, op. 8, D major. Hindemith Trio (S. Goldberg, P. Hindemith, E. Feuermann). Toshiba EMI: TOCE-56244 (CD). Recorded 1934, London. (Legacy of Szymon Goldberg) [SGCD/15]

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターだった1931年に、ヒンデミット(ヴィオラ)、フォイアマン(チェロ)と結成したトリオ。ナチスの台頭によりドイツ脱出を余儀なくされ、演奏旅行の日程を調整して落ち合った3人による、1934年ロンドンでの貴重な録音。

3ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第5番 へ長調》

Beethoven, L. van. Sonata for Violin and Piano no. 5 in F major, op. 24. S. Goldberg, violin; L. Kraus, piano. Toshiba EMI: TOCE-56243 (CD). Recorded 1936, Tokyo. (Legacy of Szymon Goldberg) [SGCD/15]

ゴールドベルクとリリー・クラウスは1935~7年に、モーツァルトとベートーヴェンのソナタ集を録音している。ほとんどがロンドンでの録音だが、ベートーヴェンの第5番と第6番のソナタは、1936年の来日時に録音されたものである。

4ベートーヴェン《ピアノ三重奏曲 ニ長調 作品70-1「幽霊」》

Beethoven, L. van. Trio for Violin, Cello and Piano in D major, op. 70-1 “Ghost Trio”. S. Goldberg, violin; P. Casals, violoncello; R. Serkin, piano. Music & Arts: CD-688 (CD). Recorded 1954, Prades. [SGCD/17]

1954年、プラード音楽祭でのライブ録音。カザルス78歳、ゼルキン51歳、ゴールドベルク45歳。山根美代子は「各々の楽器のこれだけの名手三人が、三人三様鮮やかに異なる強烈な個性をもって、しかし共有し確信する言葉がひとつとなって響き合っている。お互いに手ごたえのある共演者を得て、さぞかし痛快だったことでしょう」と語る。(p. 105)

5シューマン《ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47》

paradis

Schumann, R. Quartet for Violin, Viola, Cello and Piano in E♭major Op. 47. Festival Quartet (Goldberg, Primrose, Graudan, Babin). SZY-G007 (CD). Recorded 1956-57, New York. (Szymon Goldberg, vol. III) [SGCD/3]

アスペン音楽祭に教授陣として参加していたゴールドベルク、プリムローズ(ヴィオラ)、グラウダン(チェロ)、バビン(ピアノ)によって1951年に結成されたフェスティヴァル・クァルテット。ブラームスの3曲、シューマン、フォーレ、シューベルト《鱒》などの録音がある。1964年、グラウダンの急逝により自然解散となった。

6モーツァルト《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》

Mozart, W. A. Serenade in G major KV525 "Eine kleine Nachtmusik". S. Goldberg, conductor; The Netherlands Chamber Orchestra. Retrospective: 93407 (CD). Recorded 1958. [SGCD/26]

1955年から22年間にわたり、オランダ室内管弦楽団の音楽監督・常任指揮者・ソリストとして活躍したゴールドベルク。《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》は、ゴールドベルクが最も得意とした作品でもあり、オランダ室内管弦楽団でもしばしば演奏されている。少しのキズも許されない曲という意味で、「モーツァルトの中でも《クライネ・ナハト》ほど演奏をするのが難しいものはないとフルトヴェングラーも言っていた」とゴールドベルクは語っていたという。(p. 118)

7ミヨー《春のコンチェルティーノ》

Milhaud, D. Concertino de printemps (1934). S. Goldberg, violin; D. Milhaud, conductor; The Netherlands Chamber Orchestra. Stemra: VK9501(CD). Recorded 1970. [SGCD/28]

ミヨーとも交流があったゴールドベルク。シモン・ゴールドベルク文庫には、ミヨーからの献辞が書かれた楽譜や、ミヨーから「あなたが《春のコンチェルティーノ》を弾いてくれたら嬉しいです」(1970年2月17日付)、「《春のコンチェルティーノ》を弾いてくれてありがとうございました」(同年4月13日付)といった内容の書簡も収められている。

8ベルク《ヴァイオリン協奏曲》

Berg, B. Violin Concerto. S. Goldberg, violin; R. Kubelik, conductor; Concertgebouw Orchestra. SZY-G001 (CD). Recorded 1960, Amsterdam. (Szymon Goldberg, [vol. I]) [SGCD/1]

メモリアルCDシリーズ第1集に収録。コンセルトヘボウの清掃係がホールの天井裏で録音していた、貴重な音源である。シモン・ゴールドベルク文庫には、この時共演した指揮者クーベリックからの賞賛の手紙も収められている。

9ハイドン《ヴァイオリン協奏曲第1番 ハ長調》

paradis

Haydn, J. Violin Concerto no. 1 in C major, Hob.VIIa-1. S. Goldberg, violin; The Netherlands Chamber Orchestra. SZY-G011 (CD). Recorded 1966, Japan. (Szymon Goldberg, vol. V) [SGCD/5]

ゴールドベルクが数多く演奏機会を持った曲の1つ。1966年にオランダ室内管弦楽団と共に来日した時の、ライブ録音(弾き振り)である。第2楽章冒頭の美しさを「たった1オクターヴの音階でありながら、しかしそのたとえようもなく壮麗な無限の広がりに、誰もがゴールドベルクの芸術の神髄を聴く思いをもつのでしょう」と山根美代子は語る。(p. 125)

10バッハ《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV1001》

11バッハ《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004》

Bach, J. S. Sonata in G minor for Solo Violin, BWV 1001; Partita in D minor for Solo Violin, BWV 1004. S. Goldberg. Music & Arts: CD-1223 (CD). Recorded 1970, London. (Szymon Goldberg Centenary Edition, vol. 1: Non-commercial Recordings) [SGCD/19]

ゴールドベルクの重要なレパートリーの一角をなす作曲家、バッハ。シモン・ゴールドベルク文庫にも、ミニチュアスコア、ヴァイオリン・パート譜、自筆譜ファクシミリ、ピアノリダクションなど157点にものぼるバッハ関連楽譜が収められている。
今回展示する音源は、BBCスタジオコンサートでのライブ録音。セッション録音は、レコード会社からくり返し録音の依頼を受け続けながらも、「自分にはまだ理解したと確信がもてないから」と、とうとう実現しなかった。(p. 101)

12シューベルト《幻想曲ハ長調 D934》

paradis

Schubert, F. Fantasie in C major, D934. S. Goldberg, violin; R. Lupu, piano. Decca: UCCD-4206 (CD). Recorded 1979, London. [SGCD/10]

ゴールドベルクは、審査員として招かれたリーズ国際ピアノ・コンクールで見出したラドゥ・ルプーを、デュオのパートナーに指名。モーツァルトのソナタ全曲、シューベルトのヴァイオリン作品などを演奏・録音した。マリア夫人の病状が悪化し、夫人の看護のため第一線から退いた頃の録音である。

13ブラームス《ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 作品100》

Brahms, J. Sonata for Violin and Piano No.2 in A major, Op.100. S. Goldberg, violin; Miyoko Yamane, piano. TBRCD0038-2 (CD). Recorded 1992, Niigata. [SGCD/S1]

1992年7月2日、新潟にて行われたリサイタルのライブ録音。次のレコーディングの参考とするためゴールドベルクには内緒で録音されたものだが、2016年に市販された。

14バルトーク《弦楽のためのディヴェルティメント》

Bartok, B. Divertimento for String Orchestra. S. Goldberg, conductor; New Japan Philharmonic. Live Recording. Recorded 1993, Tokyo. [SGCD/32]

ゴールドベルクが日本で初めて指揮をしたプロのオーケストラが、新日本フィルハーモニー交響楽団。1993年2月9日、東京芸術劇場で行われた演奏会の録音(私家版)である。同日演奏されたシューベルトの交響曲第5番、シューマンの交響曲第4番の録音については2016年に市販されたが、この曲は収められていない。

15モーツァルト《交響曲第40番ト短調 KV 550》

Mozart, W. A. Symphony No. 40 in G minor KV 550. S. Goldberg, conductor; Mito Chamber Orchestra. TBRCD0048-2 (CD). Recorded 1993, Mito. [SGCD/S3]

生涯最後のステージとなった、1993年4月11日に行われた水戸室内管弦楽団との演奏会の録音。この曲は、ゴールドベルクが長年に亘って「納得いくまで勉強してみたい」と想い続けた作品の一つでもあった。(p. 283)

映像展示

1北日本放送制作「KNBふるさとスペシャル 一粒の麦ここに芽ぐむ シモン・ゴールドベルクと山根美代子さんに捧ぐ」 2006年

paradis

北日本放送で2006年10月29日に放送されたドキュメンタリー(約46分)。[SGDVD/3]

2NHK制作「流転のヴァイオリニスト シモン・ゴールドベルク 日本への長き道」 1993年

NHKで1993年11月22日に放送されたドキュメンタリー(約45分)。[SGDVD/4]

3桐朋学園大学特別講座 ドビュッシー《ヴァイオリン・ソナタ ト短調》
シモン・ゴールドベルク、ゴールドベルク山根美代子、桐朋学園大学学生、1989年録画

『シモン・ゴールドベルク講義録:DVD&BOOK』(幻戯書房、2010年)にDVDで添えられている、1988~93年にかけて桐朋学園大学で8回行われた特別講座の実録。展示映像は、1989年6月30日に録画されたもの。ゴールドベルクが愛器を片手に持ち、学生に熱心に向き合う模様が、そのまま収録されている。講座の最後には、ゴールドベルクと山根美代子による実演も収録(約120分)。[C2/G618/2付](音楽総合研究センター所蔵)

パネル展示

1シモン・ゴールドベルク年表

2名教師カール・フレッシュのもとで

フレッシュのサイン入り楽譜など

3自筆メモ~演奏だけがすべてではない

自筆メモより

4交友関係その1

クーベリック、クルシェネク、ブリテンからの手紙

5交友関係その2

チゾーム、ミヨー、ドルイアンからの手紙

6シモンからの遺産を後世に~山根美代子の残したもの

メモリアルイベント

ゆかりの人、土地をたずねて